第127章

情事の後、二人は沈黙していた。

もう夫婦ではなくなったからか、それとも長い間触れ合っていなかったからか、二人とも少し居心地の悪さを感じていた。

高橋遥は服を着ながら、小さな声で言った。「体がべたべたするから、シャワーを浴びたいの」

空気はさらに微妙なものになった。

さっき稲垣栄作は急いでいて、コンドームをつけなかった。男性にとっては快適だろうが、女性にとっては後始末が面倒なものだ……

稲垣栄作は軽く咳払いをした。「外で待ってるよ!」そう言うと彼は部屋を出て行った。散らかったベッドのことなど、明日清掃スタッフが処理するだろう。

男だから気にならないのだろうが、高橋遥はそうもいかない...

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